(2)揺動運動(ようどううんどう)の三目的
①拘束で固まった組織を回復する
「縮み固まったカチカチ粘土」「痩せて弾性がなく乾いて張り付いたような粘土」は、振動をかけながら少しずつ揺り動かす事で固まりが崩れていきます。
これはビンの中で目詰まりした砂を、微振動をかけサラサラにしていくようなイメージです。目詰まりして固まった砂を崩すには、大きく振るだけでは無理で、小さく小刻みに瓶を揺らす必要があります。
「圧縮で縮んだまま固まったバネ」「錆びついたバネ」は、ゆとりをもった伸縮刺激で徐々にバネの動きが回復します。この微振動と伸縮刺激を兼ね備えたものが「揺動運動」です。
②股間節・肩甲関節体を分離解放する
揺動運動による股間節の動きの向上により、股間節拘束と腰椎拘束の解放がなされてきます。また、肩甲関節体の動きの向上では、頚椎上下、僧帽筋拘束の解放が同時になされます。胴体と手足をつなぐこの二つが緩み、回復する事で、全身に揺らぎ生じてきます。
③全身の関節を揺れる状態にする
中立位での関節の「揺らぎ性」を高め、点で立つことにより、日常生活全般に多裂筋活性化の刺激が起きます。動かせて、揺らせて、使われるようになると、今まで使われずにきた部位の活性化も期待出来ます。