個別指導「過緊張と脚運動の偏り」Oさん30代女性 バレエ講師
生理的湾曲もまずまずあり、姿勢に問題があるようには見えないOさん。
しかし、どうしても前重心になるため、ただ立っているだけで、背面部の筋緊張が強すぎる状態になる。
→足裏接地7・2・1
重心位置は良好な状態になり、体幹の筋肉状態も良くなる。しかし、ゆらぎは見られない。また動き出すと元の前重心状態での動き。
Oさんの状態を把握するため、ベッドで横になりながら行う揺動運動を中心に、様々な動きを観察。
→屈伸運動
Oさんはもともとしゃがめないため、出来る範囲で浅めの屈伸を数回行った。
数回行っただけで、どうしても前傾してしまう上半身が股関節の上に垂直に乗り、緊張状態が消失。
ゆらぎのある脚三関節の上に生理的湾曲のある胴体が乗った姿勢をとることが出来た。
「なんか不思議です!軽い、楽!」
「構造的に正しい姿勢・身体の使い方 実践編」で、小さく正確な動きの訓練として「股関節中立位回復運動」を記載しました。大きな動きは、本来、しゃがみや、お辞儀など、日常動作で行われます。しかし、生活様式の変化から、しゃがみ姿勢や、正しいお辞儀をする機会がなくなってしまいました。
クラッシックバレエは伸展の多い運動です。ただでさえ最大屈曲の機会が失われた身体に伸展運動を身体に染み込ませながら成長してきたことが、Oさんの慢性緊張の大きな要因となっていることが挙げられます。
形だけ構造的に正しい姿勢がとれても、そこにゆらぎがなく、不自然に固めた状態では、その次に行っていく様々なトレーニングや、快適な歩行に向けての効果が低くなってしまいます。
個別指導に来られる方は骨格調整を受けに来る方に比べて、不調箇所などのトラブルがなく、長期的な運動歴のある方が多いのですが、非常にシンプルな屈伸運動ですら、正確に行える方は極稀です。
それほど、脚関節の運動の偏り、股関節運動感覚の低下、全身的な筋肉拘束、アンバランスの大きい方が多く、そのままの身体で使い続けているのが実情です。一定レベルで伸び悩み始めるのも自然なことです。