前重心 右脚の感覚がない、外反母趾の痛み
50代女性 バレエ指導者 Yさん
前重心に変化が出始めたYさん。
「最近、右脚に感覚が出てきたというか・・。ずっと感覚がなかったんですけど、血が通るのがわかるようになったんです!」
もともとの相談内容は、外反母趾の痛みが強く、他、アキレス痛、首・背中・腰など全身的に不調が多かったため、感覚のない右脚のことは当初、相談内容に上らない状態だったようです。
骨格状態は立位での頭部右横ズレが大きかったのですが、それ以上に気になったのが、強烈な前重心 でした。
骨格本来の重心位置に誘導すると「・・んん・・かなりキツイです(笑)ここで立つんですか?後ろに倒れます〜」全く不可能な状態でしたが、それでも調整のたびに、本来の重心位置の確認作業を続けました。
頭部の右横ズレは調整の進行と共に、徐々に変化していましたが、前重心に関しては、職業上、長年その状態で使い続けてきたため、脚の筋肉拘束が非常に強く、中々変化がみられませんでした。
Yさんの様に、長期的に続けている運動や、職業で動きの偏りが強いなどの場合、調整で歪みが減少しても意識的に重心位置や動きの認識修正が必要な場合があります。
また、クラッシックバレエを行っている方の場合、レッスン時の立ち方、姿勢を日常生活でも行っていることがよくあります。
バレエの立ち方は「日常生活では適さない関節をロックした姿勢」です。
つま先を180度開き、極限まで股間節を外旋し関節がロックすることで、ぐらつきにくい不動の姿勢となるのですが、関節がロックされるということは、関節に「遊び」が無くなることを意味します。常に関節がロックされた状態は、全身の慢性緊張や関節負担が大きくなり、重心異常を起こしやすくなります。こうしたことから、あくまで「パフォーマンス中だけの一時的なもの」と理解する必要があります。
成長期のお子さんの姿勢教育にお考えの場合、こうした理解が必須です。
*詳細は「構造的に正しい姿勢 構造的に正しい身体の動かし方 理論編}
第二章「 第二節 生理的湾曲の失われた胴体を支える「脚」「脚三関節」」P93をご参照下さい。
Yさん、調整により頭部右横ズレが減少し、本来の重心位置で立つ訓練をしてきたことにより、立位状態が着実に中心の安定した状態に変化してきました。これらに伴い、当初の問題はいずれも変化、改善されてきました。